英国シーサイドの名を冠したデッキシューズタイプのスニーカー!
"ADIDAS(アディダス)"の膨大なアーカイブを愛情と敬意を持って現代的に再解釈するプレミアムライン、"SPEZIAL(スペツィアル)"。ブランドコンサルタントである"GARY ASPDEN(ゲイリー・アスプデン)"氏をキュレーターに据え2014年に始動して以来、主に70〜80年代のヴィンテージデザインをモダンな要素を加えて蘇らせてきた。
2025年に登場する"LYTHAM SPZL"(リザム SPZL)は、英国北西部の海辺の町「リザム」にちなんで名付けられたモデルである。その開発プロジェクトは2023年に遡る。ゲイリー・アスプデン氏と当時のスペツィアルフットウェアデザイナーであったチャールズ・ロベット氏は、1980年発売の"DESERT ISLAND(デザートアイランド)"に代表される往年のデッキシューズや、レジャーシューズラインの"FREIZEIT(フライツァイト)"にオマージュを捧げる、新しいレジャーシューズの構想をスタート。試作第1号は、当時の主流であったレザーではなく現代的なスエードアッパーに、復刻予定だった"SAINT FLORENT(セント・フローレン)"用の新開発ソールユニットを組み合わせて製作された。しかし、ゲイリー・アスプデン氏はこの出来に満足せず、ソールを往年の定番へと切り替える方針を決定。1979年前後の名作"BERMUDA(バミューダ)"で採用され、"BRISBANE(ブリスベン)"や"MELBOURNE(メルボルン)"といった当時のレジャーシューズにも広く流用されたクラシックソールが選ばれた。
スペツィアルチームは、2017年のブリスベンに着想を得た"GARWEN SPZL(ガーウェン SPZL)"でも見られるように、このフライツァイト路線のDNAを極めて重視していた。しかし、ソール変更後も「アディダスらしいDNAが十分感じられない」との判断で見送りが続いた。その後、ゲイリー・アスプデン氏は旧知の同僚オットー氏と新たにタッグを組み、アーカイブを再研究。「素材はスエード」「ソールはバミューダ型」という当初のアイデアに立ち返りつつ、アッパーデザインのDNAをリファインすることで、チーム全員が満足する最終デザインに到達した。ゲイリー・アスプデン氏が「もし一度でうまくいかなければ…何度でも挑戦せよ」と振り返る、粘り強い開発プロセスを経た一足である。
リザム SPZLのデザインは、「ボートシューズ(デッキシューズ)の伝統」と「スニーカーのイノベーション」を融合させたハイブリッドな構成が特徴である。アッパーの素材には、ヴィンテージの空気感と現代的なスタイルを両立させる上質なスエードを採用。つま先にはモカシン風のステッチが施され、伝統的なデッキシューズの意匠を色濃く反映している。サイドには、アディダスのレジャーシューズの系譜を感じさせる金属製のトレフォイルロゴがディテールとして配置。アウトソールには、前述の開発経緯によりバミューダ型のクラシックなラバーソールが採用されており、高いグリップ性とクラシックな外観を両立させている。
日本国内では2025年11月6日にアディダス オリジナルス取扱店にて発売予定。価格は29,700円 (税込)。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。













