エイジング加工で履き込んだような味わいを表現!
その起源は、1970年代の西ドイツ軍にまで遡る。当時、兵士たちの室内トレーニング用に支給されていた一足のシューズ、通称"GERMAN TRAINER(ジャーマントレーナー)"。ブランドロゴはおろか、"ADIDAS(アディダス)"を象徴するスリーストライプスさえも持たない、純粋な機能性だけを追求したそのミニマルなデザインは、ひとつの完成された機能美であった。製造には"アディダス"と"PUMA(プーマ)"の両社が関わっていたという説も残り、その出自は今なお多くの謎に包まれている。
その運命が大きく変わったのは、1989年のベルリンの壁崩壊。軍の放出品として大量に市場へ流通すると、その飾り気のないオーセンティックなデザインが、ファッションシーンの目に留まった。特に、デザイナーの"MARTIN MARGIELA(マルタン・マルジェラ)"がコレクションで用いたことで、一躍ファッションアイコンとしての地位を確立。ミリタリーという出自と、モードという対極の価値観が交差した、稀有な一足として語り継がれている。
その歴史的傑作を、"アディダス"が"BW ARMY(BW アーミー)"として現代に蘇らせた。最新作では、アッパーにひび割れたような特殊なクラックレザーを採用。まるで長年履き込まれ、歴史を刻んできたヴィンテージ品のような、深みのある風合いを表現している。カラーは、アーカイブを思わせる"オフホワイト"と、精悍な"ブラック"の2色を展開。人体工学に基づいたグリップ力に優れたガムソールはそのままに、アッパーに味わい深い加工を施すことで、あらゆるスタイリングに溶け込む一足へと昇華させた。
日本国内では2025年9月19日にアディダス オリジナルス取扱店にて発売予定。価格は19,800円(税込)。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。
■EARTH STRATA / CHALKY BROWN / LIGHT BROWN(JR7345)
■SUPPLIER COLOUR / SUPPLIER COLOUR / LIGHT BROWN(JR7346)