次なるモードへ踏み出す、ドレスシューズのようは気品を纏った一足!
2002年に"NIKE(ナイキ)"のランニングフットウェアとして誕生した"AIR MAX DOLCE(エアマックス ドルチェ)"。その名にある"DOLCE"はイタリア語で甘美を意味し、当時の"AIR MAX"ラインの中でも異彩を放つ存在だった。シューレースを排したスリッポン構造、モックトゥやローファーを思わせる低いアッパー、ウェッジヒール状のソールに収めた大型のビジブルエア。ランニングシューズの機能を備えながら、見た目は革靴やモードなスリッポンに近いという、2000年代初頭のナイキらしい実験精神が色濃く反映されていた。
発売当時はその先鋭的な姿からコアなファンに知られる隠れたモデルだったが、現在の視点では、スポーツとフォーマルを結びつけた先駆的な一足として再評価が進んでいる。その流れを大きく後押ししたのが、2026年春夏シーズンに登場した"COMME DES GARÇONS HOMME PLUS(コム デ ギャルソン・オム プリュス)"とのコラボレーションである。オールブラック、オールホワイト、ブラック/ホワイトのミニマルな配色に、艶やかなパテントの質感を重ねることで、"AIR MAX DOLCE"が持っていたドレスシューズ的な緊張感をさらに引き出した。これにより、長くアーカイブの奥に眠っていたモデルは、ファッションシーンの文脈で再び脚光を浴びることになった。
近年は"NEW BALANCE 1906L(ニューバランス 1906L)"や"ADIDAS ORIGINALS HANDBALL SPEZIAL LOAFER(アディダス オリジナルス ハンドボール スペツィアル ローファー)"に象徴されるように、スニーカーの快適性とローファーの上品さを重ねたハイブリッドデザインが存在感を強めている。クラシックな革靴のムードを求めながらも、履き心地やストリートでの軽さは手放したくない。そうした今の気分において、"AIR MAX DOLCE"の復活は非常にタイムリーだ。誕生から20年以上を経て、ようやく時代の感覚がこの異色作に追いついたとも言える。
パリ・ファッションウィークで披露された2027年春夏シーズン向けの新作は、その再評価をさらに押し広げるデザインへと進化している。ブラックとホワイトのペアでは、アッパー全体にクロコ型押しを施し、ローファーらしい艶と奥行きを強調。モックトゥの縫い合わせや甲を包む滑らかなライン、ヒールにのぞくビジブルエアが、革靴の端正さとナイキのクッショニングテクノロジーを同じシルエットの中に共存させている。さらにブラックレザーの一足では、部分的にラフな仕上げを加えたような表情を持たせ、シュータンのアスタリスクが新たなコラボレーションの可能性を感じさせる。フォーマルにもストリートにも寄り切らない、曖昧さそのものを魅力へ変えた一足となっている。
海外では2027年春夏シーズンに発売予定。価格は未定。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。








