ワッフルソールの原点を深い赤とブラウンで再構成!
"NIKE(ナイキ)"の創成期を物語る"MOON SHOE(ムーン シュー)"から、秋の装いに馴染むウィメンズカラーが登場する。1972年の試作ランニングシューズを思わせる薄型のスタイルを、ミスティックデイツとタフレッドの深い赤、ブラウン、セイルで組み立てた一足となる。
始まりは、オレゴン大学に設置された硬く滑りやすいウレタン製トラックだった。共同創業者で陸上コーチでもあった"BILL BOWERMAN(ビル・バウワーマン)"は、スパイクほど路面に食い込まず、フラットシューズより確かなグリップを得る方法を模索。1971年、妻バーバラのワッフルメーカーに着目し、格子状の凹凸を持つソールの実験を始めた。最初の試みではウレタンが型に固着して器具を壊したものの、試作と改良を重ね、軽さとトラクションを両立する発想へたどり着いた。
まだ"BLUE RIBBON SPORTS(ブルー リボン スポーツ)"を名乗っていた1972年夏、バウワーマンと"GEOFF HOLLISTER(ジェフ・ホリスター)"は全米オリンピック選考会に向けて少量を手作業で製作。日本から取り寄せたナイロン製アッパーに、ユージーンで作った薄いワッフル状のラバーシートを組み合わせた構造は極めて簡素だったが、土に残る四角い突起の跡が月面を歩いた宇宙飛行士の足跡に似ていたことから、"MOON SHOE"の愛称が定着した。一般販売には至らなかった一方、その発想は後の"OREGON WAFFLE(オレゴン ワッフル)"や"WAFFLE TRAINER(ワッフル トレーナー)"へ受け継がれ、ナイキをランニングブランドとして押し上げる足掛かりとなった。
残存するオリジナルはスニーカー史の資料として評価され、2019年には一足がサザビーズで437,500ドルを記録。当時のスニーカーオークション最高額を更新した。長くアーカイブの奥にあった形は、2025年に"JACQUEMUS(ジャックムス)とのコラボレーション"で初めて再解釈され、続いてナイキのインラインモデルとして日常へ戻ってきた。
今作は、ほのかな光沢を持つ赤いナイロンをベースに、つま先と踵へブラウンのレザーパーツを配置。セイルの大きなスウッシュが側面を横切り、シューレース周りの細かなギザギザや、筆記体の"nike"を置いたシュータンラベルが70年代の競技靴らしい手仕事の雰囲気を残す。同系色の濃淡でまとめたアッパーに、ガムライトブラウンのソールを合わせ、暖色を重ねながら各パーツの切り替えを明確にした。
足裏には、ムーン シューの名前につながった四角い突起のワッフルパターンを配置。ラバーアウトソールが耐久性とトラクションを担い、厚みを抑えた見た目の内側にはフォームミッドソールを備える。創成期の簡素なランニング構造を視覚的に残しながら、現代の日常履きとして組み直した。
日本国内では2026年10月1日よりナイキドットコムにて発売予定。価格は15,730円(税込)。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。












