10年の沈黙を破り、異端の美学がスリーストライプスへ帰還!
1994年に自身のブランドを立ち上げ、退廃的なムード、鋭いテーラリング、巨大なブーツ、彫刻的なシルエットでモードの文脈を更新してきた"RICK OWENS(リック・オウエンス)"。黒を基調とした世界観に、グランジ、ゴシック、インダストリアルな空気を重ねる作風は、ファッションだけでなくスニーカーシーンにも強い影響を与えてきた。"ADIDAS(アディダス)"との協業は2013年に始まり、2017年頃まで独自のランナーやブーツ型のフットウェアを展開。スポーツブランドの機能をリックのセンスで書き換えたアプローチは、ラグジュアリーとパフォーマンスのあり方を大きく変えた。
その両者が、パリ・ファッションウィークの2027年春夏メンズショーで約10年ぶりに再び交わった。舞台となったのは"PALAIS DE TOKYO(パレ・ド・トーキョー)"。コレクションは"STONE"と題され、猛暑のパリに呼応するように、"CLIMACOOL(クライマクール)"の考え方を用いたインフレータブルジャケットやショーツを披露した。内部ファンとアイスベストを組み合わせ、ランナーの体を冷やすという機能を、リックらしい膨張したフォルムと光沢あるブラックの質感へ変換。スリーストライプスや"OWENSCORP"ロゴを配し、スポーツウェアをランウェイ向けの前衛的なプロテクションギアとして再解釈している。
フットウェアにも、その実験的な姿勢が表れている。確認されているモデルは、足首まわりを覆うギャザー状のブーツアッパーに、ハイキングシューズやオーバーシューズを思わせるボリュームを加えた一足。ブラックのアッパーを横切るようにホワイトのスリーストライプスを走らせ、厚みのあるソールと組み合わせることで、アディダスとリックらしいダークな重厚感を結びつけている。過去に見せた流線的なランナーとは異なり、今回はトレイルや防護ギアにも通じるラギッドな方向へ振った印象だ。さらにランウェイでは、"ADIZERO ADIOS PRO EVO(アディゼロ アディオス プロ エヴォ)"を誇張したようなモデルや、"SPRINGBLADE(スプリングブレード)"を思わせるソールを備えたブーツも登場。パフォーマンステクノロジーをモードの極端なフォルムへ置き換える、新たな章の始まりを感じさせる。
海外では2027年春夏シーズンに発売予定。価格は未定。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。









